fc2ブログ

Entries

『日本の音楽が危ない~JASRACとの死闘2899日~ 著:ファンキー末吉』、を読んだ。


日本の音楽が危ない~JASRACとの死闘2899日~(2018年1月20日)
著:ファンキー末吉

2020-0921.jpg


という本を読みました。

いやぁ、めっちゃ面白かったし、勉強になりましたー。

著作権問題、JASRAC問題です。

もうね、本屋で即買いでした。そしたら昔盛んにバンドやってた頃の知り合いが出ていてビックリしました。後ろの方には写真まで載ってました。元気そうで何より。

バンドをやっていた僕ですら、完全に勘違い、知らなかったこと、です。ま、単なるって言っちゃ大変申し訳なんですが、単なる裁判の話なんですが、勿論、

単なる、なワケがない、

です。できれば、みん~なに読んでもらいたいです。ってか、映画にしてもいいです。

上げてる人も再生回数も多くないですが、JASRACについて語ってる動画、などあります。否定はしません、しませんが、どーしたって。やっぱり、経験した人、の意見は、強いし、

気持ち

が書かれてあり、そこが単なる裁判ではない、になっていましてね、まぁ面白かったんです。あのぉ、

気持ち

の部分が一番大事ですから。

この本から推測するに、全ての裁判が物凄く大変でそれぞれで違うんだろうなぁ、が読み取れます。こ~りゃ、鬱にもなるわなぁ。ファンキー末吉は動画を上げればいいのに。観ますよ、みんな、えぇ。だって、

スゲェおもしれぇもん。

まずですね、僕が勘違いしていた部分から。ここが1番先です。ここに関しては、著者本人が裁判中に書いていたブログですらも、ってか、この問題を最初に書き始めたブログの時点で、普通の人(音楽に詳しくない人)が読んでもわかるようには書かれてなかったです。例えば、以前書いたかも、ですが、

ハコ(箱)とはライブハウスのこと

です。音楽をやってる人にとっては常識ですが、やってない人からしてみたら、ハコって何?ですから。ってか僕が聞かれたことあります。で、当たり前ですが、どー考えたって音楽をやってる人の方が一部、ですから。イチイチ面倒、なんでしょう。気持ちはわかります、だけど、この手のことに関しては、絶対に誰が読んでもわかるようにしておかなけば、です。だって、問題を広く、万人に向けて伝えることに意味がある種類のものですから。

印税と1言で言っても、様々な印税があります。純粋に楽曲の売り上げ、に対して印税が発生する、これに関しては誰でも知ってると思います。次に二次的に発生する印税、みんな知ってる、で言えば、カラオケ、ですね。1曲歌うと、作詞作曲者と歌唱者・アーティスト(そのバンドのメンバー)に印税が入ります。1曲につき1~3円です。でも大ヒットして全国で何万人、何十万人も、しかも毎日歌えば、それはそれでデカイです。

むかぁ~しのバーとかにあったカラオケって通信なんですかね、少なくとも現在の通信カラオケ、はごまかせず、誰のどの曲が何回歌われたかがハッキリ、キッチリ、わかります。ゆえに、JASRACの分配もちゃんとせざるを得ません。ぜ~んぶこのシステム、ならいいんですがね。あっ、でも僕みたいにカラオケ行っても、曲の1番だけ歌ったら「満足した」っつって、ぶち消すのはカウントされるんですかね。まぁ、それはそうと、

問題はライブハウスなんですよ。

僕は、基本的にライブハウスでカバー曲をやってもお金は取られない、と、今の今まで思ってました。だって儲かってないんだもん。利益を上げていない、と言うことです。僕のやってきたバンド、僕が関わったバンドなんて、人気ないですから(笑)。僕が参加したバンドで、1番多くライブをやったバンド『かほとほか』では、僕入れてメンバー3人の中、客2人とかね、こっちのが多いんだから、客より。メンバー紹介の流れで客も、PAも、勝手に僕が紹介した気がします。以前TVで中居くんが、『SMAP』の初ライブでは客がパラパラぐらいしかいなかった、なんつってなげいて?ネタに?してたけど、舐めんなよ、と思いました(笑)。流石にメンバーの人数より客の方が少ない時なんてないでしょ?いくら何でも。勿論ただでライブはやれません。平均、ハコでの出演料は約2万強(現在は不明)、チケットの売り上げがその金額を越えれば、越えたところからが「バック」になりバンド側の儲け、になります。チケット代金はある程度、バンド側が決められます。1500円で売るなら約15人に売ればどうにか、16人目、17人目、辺りからバックになります。あっ!!!バックあったな、2回ぐらい。その『かほとほか』で。だけど僕がバンマスのバンドではないので、ハコの人とは直接僕は話しません。なので人任せ、でした。もしかしたら、その話になってかほが僕に言ってたかも知れません、僕が覚えてないだけで。

『かほとほか』では、必ず1ライブ平均5~6曲、そのうち1曲は毎回カバー曲をやっていました。他はオリジナル曲です。

で、実は、こういうバンドのために?ライブハウス側が、月々何万円かをJASRACに払ってたんですよ!!!僕の知らないところで。また、ライブハウスが月々JASRACに払うカバー曲に対する徴収金額が、ハコ代、に込みだったとしたら、僕らも、JASRACに徴収されていた、ことになります。

10年以上ライブはやってませんが、バンド歴約20年の僕が、このことを知らなかったんですよ。この本を読むまでは。そして多分ファンキー末吉も、自分がハコを運営するまでは知らなかった、と思われます。ファンキー末吉の場合は、これまでがメジャー過ぎた、ゆえにでしょうけど。JASRAC、恐ろしいな。。。

しかし、

これらの、ライブハウスからカバー曲に対する徴収したお金が、

正しくクリエイター(作詞作曲者)に分配されてない、

と言うのが著者、ファンキー末吉の言い分です。

ファンキー末吉は僕世代なら誰でも知ってるバンド、『爆風スランプ』のドラマーです。今同時進行で書いているシティ・ポップでも1曲取り上げることに決めていますけど。

ファンキー末吉は2009年、自分がやっていたバンド名『X.Y.Z.→A』から名前を取ってまんま、『Live Bar X.Y.Z.→A』というライブハウスを知り合いの勝山氏と八王子で経営することになります。裁判上、経営者ではなく、関係者、という表現なんですが、わかりやすく経営者と書きます。開店し、しばらくするとJASRACから、そのカバー曲に対して月々何万円かを支払え、との書類が送られて来ます。何だそりゃ?と。

ファンキー末吉は、ミュージシャンで、自分で曲も作れば演奏者でもあり、ライブハウスの経営者でもある立場です。『爆風スランプ』以外のバンド、その『X.Y.Z.→A』というバンドで、約10年に渡り約300回ぐらい、全国のライブハウスでやって来たのにも関わらず、『X.Y.Z.→A』としてのライブに関する印税を一切、受け取ったことがない、と。当然JASRAC登録曲です。

はぁ!?!

じゃライブハウス側から徴収しているそのお金はどこへいってんの?

これが発端ですね。

JASRACはいくつかの店舗にサンプルをかけて調査し、正しく分配している、と言っています。しかしそのライブハウスがどこなのか、最初は明かしません。裁判前の調停にて、明かしますが、平たく言うとテキトー。漢字の適当ならいいんです、しかし、漢字の適当でもこの場合は、ダメですよね。カラオケボックスのようにキッチリやらないと。そもそもいくつかの店舗、じゃダメですよね、全ライブハウスでキッチリやらないと。

SNS上では、JASRACを擁護するような意見や話を耳にします。確かにJASRACのお陰でクリエイターは助かってる部分、あります。ありますけど、絶対にJASRAC、抜いてますよね。

ライブハウス側がJASRACに払う金額は、具体では明かされませんが、いや、明かされます、最初は1曲90円、あとから140円と言ってきます、どう言うこと?1曲140円?一見安い、と思いますけど全国のライブハウスから、ですよ。しかもカラオケ印税は1~3円しかバックされない、、、どーゆう?いくら手数料つったってさ。分配比率が明らかにおかしい。しかも完全に人のフンドシです。曲作ってみろよ。何でクリエイターより多いんだよ。

100歩譲ったって全ての税率は最低で半分(50%)です。と30年前から思ってますけど。

金額の問題じゃないんです。いや、金額の問題でもあります。だって、気にならない金額を貰ったところでJASRACもしょうがないじゃないですか。しょうがなくない金額を得られるから徴収する意味があるんです。

また、ファンキー末吉は、最初から、

「払う意志はある、正しく分配されているならね」

と言っています。至極真っ当です。どこに行くかもわからないものに1円たりとも払う必要なんかありません。よって声を大にして言うことじゃありませんが、僕は募金をしたことが1度もありません。募金するなら、現場に自分で持ってって渡します。それだって、団体の上の人、に渡したらどうなっちゃうかわかりません。その人本人に直接、しかあり得ません。

よって、ファンキー末吉は、払わない、から起訴される形になります。ま、これも僕的には厳密に言えばおかしいんですけどね。だって至極真っ当なこと言っただけなのに、何だか悪者みたいな感じじゃないですか。

TVの視聴率、あれって「絶対に明かさないで下さい、いいですね?」と念を押して、どこぞのご家庭に機械を設置しお願いし、調査しています。いや、して来ました(多分)。とは言え、「実はウチ、視聴率の調査来たんだよ」、を身近で1度も聞いたことがありません。この国の国民はそん~なに口が堅いんですかね。最近はTVもネットと繋がっているので、視聴率調査の形態も変わってきてると思われますが、いずれにしろ視聴率はいいんですよ、明かさなくても。我々がお金を払うことはないでしょうから。

また、JASRAC擁護派?の人は「嫌ならJASRAC以外に頼めばいいじゃん」とすぐ言いますけど、これも違う。いくつかある、とは言え現在JASRAC以外となると「NexTone」しかなく、いくつか、じゃないですよね、2つ、です。しかも「NexTone」はまだまだ出来たばっかの会社、それこそいくつかあった、がまとまって「NexTone」になりました。この本における裁判と同時進行で、近年形になった感じの会社です。ファンキー末吉の時代はほぼJASRAC1強、1択、って時代ですから、、、それを言うのはナンセンスです。そもそも、ファンキー末吉が問題にしてるのは、

そこじゃねぇ。

いや、そこも、なのかも知れませんが、

「ちゃんとわかる形で正しく分配しろ」

ここのみなんです。曲を預ける団体を選んで乗り換える・乗り換えないの話じゃないんです。

畳かけると、JASRACは、「コンサートホール」に対しては「曲別分配」なんです。キッチリやってる、と見ていいでしょう。しかし「社交場」(BGMとライブハウス)に関しては、「包括契約」のまま、しかも「社交場」に関しては、JASRACの独占、が現在も続いている状態、だそうです。って2年前の話ですけど。

「コンサートホール」は、単純に演奏回数が少ないから、管理ができる、なんでしょうねぇ。

ライブハウスは、僕がバンドを盛んにやっていた頃で言うと、1回のライブで約4~5バンド出ます。1バンド約30分の持ち時間、なので1バンド平均5~6曲、これは夜だけなので、昼もやる、となるともっとになります。毎日、のハコもあれば週末多め、もあるでしょう。イベントの日もあるでしょう。ま、1日平均25曲として、月に約750曲、

大変!!!

と思うかも知れませんが、僕が盛んにライブをやっていた頃で既に、ライブハウス側に曲のセトリ(セットリスト)の提出、は大体どこでもありました。全部じゃないですけど。手書き、でしたけどね。アンケート?的なものと一緒に。何でプロでもないのにこんなことさせられるのか「?」でしたが、今意味がわかりました。「包括契約」だったとしてもライブハウス側はキチンと演奏曲目を把握してんです。そりゃそうだ、照明に対する対応などもしてくれますし。この曲のこの場所で照明を落としてくれ、などです。その意味でもセトリなくしては無理、です。いずれにしろ、把握しようと思えば余裕で把握できます。凄い書類の量にはなるでしょうけど。繰り返しますが、全ライブハウス、じゃないでしょうけど。

ってことはですね、単に、

ライブハウスはめんどくせぇから包括徴収

なんですよ。

JASRACで働く方々の人数がどれぐらいいらっしゃるのかはわかりません。頑張って頂きたいですねぇ。

我々は書いてますから、、、。

あっ、で先にオチを言うと、裁判はファンキー末吉が負けます。しかしですね、

たとえ負けるとわかっていても、やらなきゃならない時がある、

です。

そのような態度をですね、僕は素直に素晴らしいな、と・・・。








裁判、よりも、この本は他がホント泣ける。

ファンキー末吉には重ねて大変申し訳ないんですが、裁判、よりも、この本は他がホント泣けるんです。あっ、難しい裁判書類の部分などは全て省略します。読みましたよ、読みましたけど、まぁ~ややこしいしわかりにくいし、読みにくいし、こ~りゃ大変です。どーにかなんないもんですかね。これに限らず全ての裁判がそうなんでしょうけど。こんなもの、絶対に、絶対に、万人がわかるような書き方なハズがございません。もうこの複雑さを解消しない限り、この手の問題は変わらない気がします、し、本当に多くの人がわかりやすくデモとかしないと変わらないでしょう。だって頭の良い専門家、要は弁護士ですね、弁護士がついてても変わらないんですから。JASRACが悪い・悪くない、じゃなくて「おかしい」んですから、どう聞いたって。

本書内の裁判をわかりやすく言うなら、まさにアメリカの大統領選挙と一緒。正しいことをやると勝てません。

例えば前回の大統領選、リベラルなヒラリートランプに負けました。勝負は同じに見えて同じコートで戦ってはいません。

「こうなんじゃないの?」、「いえ、それは正しくありません」、「あそう、じゃこれは?」、「わかりました、用意します、できました」、「あそう、ごめんごめん、折角用意してもらって悪いんだけど、ルールが変わったんで、お疲れ」

これ、勝てませんよね。トランプは裏でほぼ取り引きに近いことを労働者軍団としていましたし。ヒラリーは、極めてクリーンに勝負をすすめていました、が、トランプは敵対するヒラリーをまるで悪人のように仕立て上げます。まさに、本書におけるJASRACです。勿論、ヒラリーがファンキー末吉です。JASRAC側はでっち上げでも何でもいいんです、勝てば。

裁判の国アメリカ、本場です、ましてや日本の法はアメリカが見本ですから、裁判がアメリカの選挙と似ていて当たり前なんですけどね。

ファンキー末吉以外でも、このJASRACの包括徴収に対して「?」を抱いた人、先人もいました。本書にも出てきますが。その方の行動もファンキー末吉の行動も、たとえ相手が巨大で勝てる見込がなくても、

動いたこと

は大変意義のあることです。







ここからは裁判すっ飛ばして、僕が最も来た3つについて書きます。

1つ目、

江川ほーじん

って章があるんです。『爆風スランプ』の初代ベーシストです。

江川ほーじんについてファンキー末吉は、

「曲がったことが大嫌いな男で、そのまっすぐな情熱が人とトラブルを生んだりする、『爆風スランプ』がスターダムにのし上がっていく中、熱い魂が一番ぶつかった人間がバンドリーダーの私(ファンキー末吉)、彼も私を疎ましく感じ、私も江川ほーじんを大嫌いになり、その溝は埋まらないほどに深く、ねじれを残したまま、江川ほーじんは脱退する」

と書いています。

その出てゆく仲間のために作った曲が「Runner」(1988年10月21日発売)、だそうです。作詞はサンプラザ中野、作曲はNewファンキー末吉。知らなかった・・・、抜けたのは知ってましたけど、、、。名曲です。ってかこの曲は良過ぎて、7 inch single盤を僕は持っています。

2人のねじれを知ったプロデューサーは、

「あと1年の間にこの曲(Runner)をヒットさせるんだ、そしたら江川ほーじんが抜けた爆風スランプもこの曲のおかげで食っていける、爆風スランプを抜けた江川ほーじんも”あの爆風スランプの元メンバー”として食っていける、お互い遺恨を忘れて邁進しろ」

と言ったそうです。良い話だなぁ。

しかし、若い、んなこと言ったところで嫌なら辞めちゃいます。1989年1月7日・8日・9日、武道館3Days Liveの最終日で、江川ほーじんの脱退を発表する予定でした。しかし天皇崩御とぶつかって2Daysがキャンセルに・・・。「Runner」発売から2か月ちょいぐらいですか・・・、ギリですね、そうです、それでいいんです。しかし、ネット上にはその後売れて、音楽番組などで演奏された「Runner」映像は、毎回違ったサポート・ベーシスト、その人選がなかなかでした。ジャガーさんは音と指が合っていませんが、ジャガーさんならいいです(笑)。ベースラインだけオケですね。観てました、リアタイで。高橋和也(当時は高橋一也)バージョンもリアタイで観てます。江川ほーじん在籍時の「Runner」映像は当たり前ですけどありませんが、わずか2ヶ月ちょいでも、プロデューサーの意向通り、になりました。良かったです。しかし、なかなか良いプロデューサーです。

結局小さなライブハウスで「爆風スランプ江川ほーじん在籍の最後のライブ」が行われたそうなんですが、ライブ終了後に江川ほーじんがメンバーそれぞれに握手の手を差し伸べます、が、ファンキー末吉、拒否ります!!!完全に憎みあうまでになってしまった若き日々、、、

なんですが!!!

「今回私がJASRACと裁判になるというとき、一番初めに、そして一番大きく支援してくれたのが彼(江川ほーじん)だった」

と。

何この泣ける話。泣いちゃう!!!何この仲良く喧嘩してる感じ。これすなわち、精神的BL心炸裂、です。ツイッターにて、完全にファンキー末吉を支援する怒りの声をぶち上げています。本書にもそれがまんま印刷されています。

また、江川ほーじんは、ライブハウスなどに出るバンドが、ライブハウスで演奏する曲をバンドマンが記入できるHP、「演奏曲目入力システムR.I.S」(2014年11月2日)を作り、完全支援まで行います。

エクセレント!!!

あっ、江川ほーじんは、この件が起きるまでファンキー末吉と会ってない、ではなく、『Live Bar X.Y.Z.→A』が開店してすぐに演者として出演しています。








2つ目、

渡辺英樹さん

って章もあります。『C-C-B』のベース・ボーカルでバンマスです。バンマスとはバンドマスター、リーダーです。

渡辺英樹とファンキー末吉は、学年はタメで、半年ほどファンキー末吉の方が早く生まれました。最初に出会ったのは90年代の前半、野村義男の紹介だったそうで、それから3人でバンドを組みツアーをしたりしていた頃、野村義男が「英樹」と呼んでいたのでファンキー末吉も「英樹」と呼んでいた、と。渡辺英樹はファンキー末吉のことを「末ちゃん」と呼んでいたそうです。

しばらく会わない時期があり、『Live Bar X.Y.Z.→A』で一緒にセッションをする機会があり、そこから「ファンキーさん」と呼ばれるようになったので「英樹さん」と呼ぶようになった、と。こういう話、良いし好きなんですよ、僕は。これまた違う種類の、精神的ゲイ心炸裂、です。

続きます。

「お互い、さん付け、で呼び合うというぐらい、近い中にも遠慮があった関係だったのかもしれないが、『王様トリオ』『VoThM』などで一緒にツアーを廻ったベーシストとなった、ツアーを廻れば朝から晩まで一緒にいる、移動の車の中ではバカな話をし、ライブをやっては打ち上げでバカな話をし、金がないので安ホテルか、友人宅で一緒に雑魚寝をした、思えば、あれだけのツアーをやったのは、この頃がピークであったであろう、そのほとんどを彼と寝食を共にしたと言っても過言ではない、JASRACから訴訟を起こされたときもそばにいてくれたのは彼だった、陳述書を書いてくれと言ったら、二つ返事で「いいよ」と言ってくれた、作詞作曲もやる彼には「原色したいね」などC-C-B時代のヒット曲もあり、いまだにJASRACから印税なども振り込まれていると思う、私は「都市伝説みたいに、いきなりJASRACからもらう印税が減っちゃったらどうする?」とか聞いてみた、すると「いいよ、いいよ、そんなこたぁ」

(同業者は少なからずJASRACと関係しているので、陳述書を書くとなると対立するような形になる、また、JASRACにたてつくと印税が減らされる、という都市伝説・噂がある、そのことをファンキー末吉は危惧しているんです、実際、裁判後、ファンキー末吉の印税が一時ガクンと下がったそうです)

渡辺英樹の陳述書が書きあがり、裁判所に提出、もうすぐ人証尋問、裁判所が証人として英樹さんを認めれば、英樹さんが裁判所に呼ばれて証人台に立つ、そう話していた矢先に、

2015年7月13日、ファンキー末吉の誕生日に、渡辺英樹は大動脈解離で突然亡くなってしまいます。

まぁ~、言葉がありません。たまたまですが、その約2ヶ月後に、ここで僕も『C-C-B』について軽く書いています。ビジュアル系の歴史、の中で。亡くなったことにも軽く触れています。

窮地に立たされ、慣れない書式で作成しなければならない広大な量の書類、それがJASRAC側からの訴訟における訴状により意味のないこととされ、完全に個人攻撃され、ブログも監視され、締め付けられるような思いに苛まれ、いつどこでJASRAC側の調査員が目を光らせているのかもわからないと怯え、しかも仕事で中国や北朝鮮を行ったり来たりしながらほとんど寝ずに、最終的には自殺を考えたりするようにまでなってしまったファンキー末吉は、その後も何かと「英樹さん」の、「カッカッカッ」という生前の独特の高笑いを思い出しては勇気を出し(勇気をもらい)、JASRACという巨大組織と立ち向かったんです。当然、ファンキー末吉側の弁護士(鈴木・神村)も同じくです。







3つ目、

弁護士ながれです、ここの、

シティ・ポップ1980-1989 35/100 『朝焼け/カシオペア』(1981年)
こちら。
で僕がベタ褒めした『カシオペア』の初代ドラマー、

佐々木隆

が出てくる下りも素晴らしかった。

佐々木隆のウィキを見ると、『カシオペア』脱退後、様々なバンド活動について書かれている中、後半、『Live Bar X.Y.Z.→A』をホームに活動していた、とありました。ファンキー末吉のハコです(2017年に閉店)。

ハコに出入りしているミュージシャンに陳述書を書いてもらう、その中で、佐々木隆が上がり弁護士が聞き取り調査のため、ハコに来る、って時です。しかも、ギターをかじったことがある鈴木弁護士ではなく、ライブ自体が初体験という神村弁護士、です。

裁判になることが予測され、カバー曲と一言で言っても様々なカバーがあります。カバーのカバーだってあります。どういうカバーがあるのか、カバー曲とは何か、何がオリジナルか、インプロとは何か、また、コンサートホールより広いライブハウスもあれば、ライブハウスバリに小さなコンサートホールもあれば、コンサートホールを越える機材を揃えたライブハウスもあるし、飲食を出す、にしても様々な形態がある、など、音楽に関する裁判なのに、「音楽」を全く知らない・普段は「音楽」を聴かない弁護士、これでは負けるものもより負けます(笑)。

こんなドラマー観たことない・聴いたことない、流石は技を観せる(聴かせる)ようなバンド、『カシオペア』の初代ドラマーだ、とドラマーであるファンキー末吉が舌を巻くレベルで、ってか、ドラマーだからこそ、わかるんだと思います、し、普段音楽を聴かない弁護士にしてみれば、佐々木隆のドラムを観て(聴いて)目が白黒(笑)、一体今何が行われているの?状態。でしょうねぇ、、、いや、わかる人が観ても(聴いても)、わからない人が観ても(聴いても)、凄いってことだけはわかる、つまりはこれ、本物、ってことです。

演奏後、神村弁護士のところに来て、佐々木隆は、

「1小節は無限の種類に細分化することができるんです。そしてそのどこにアクセントを付けるかというのも無限の選択肢があるんです。私の音楽は、その無限にある順列の組み合わせの中から、一番美しいものを追求することなんです」

と言ったそうです。

そんなに難しいことは言っていません。少なくともバンド経験者なら大体わかるハズです。

ドラムは、当たり前ですけどリズムなので全部縦割りです。横ノリ、横揺れ、のノリであったとしても基本、縦割りです。1小節(4拍)を8で縦で割ったら、最も基本のリズム、8ビート、です。割る、とは、叩く、です。1小節(4拍)内で、ドラムセットにおけるハイハットを8回右手(左利きの人は左手)で叩いたら、8ビートです。

16で縦で割ったら16ビートです。手が2本しかないので32は無理でしょうけど、可能なら32でもいいし、64だっていいんです。スネアのロールなどが良い例です。1小節内で何回叩いてんのか、数えたことありませんが、どんなに細かくロールしたとしても、キッチリ2の倍数になっているハズです。

因みに曲の中でシーケンサーが使われる場合、大体が細かくて早いのはそのためです。人間には無理な部分を機械にやってもらう、です。

ドラマーは、その縦割りの、どこを叩いて(打って)もいいんです。叩くや打つっていうより、

どこを選んでもいい

です。それが「選択肢」です。

つまり、佐々木隆は上手過ぎてですね、経験も積み過ぎてですね、技術もあり過ぎてですね、いわゆるわかりやすい普通の場所を選んで叩くことはしない、ってことです。近年のその佐々木隆ドラムを僕は聴いたことがないですが、発言から、これはもう、

病気の域

に達してると思われます(笑)。勿論良い意味で。当然、長くやってれば、そこに行き着きます。なぜなら、シンプルでわかりやすいリズムやビートも、人を踊らせるには十分です、が、その選ぶ場所によっては、より極上のリズムが、

極上のダンス・ミュージック

が、リズムだけでも出せます。これを僕は「一番美し」と解釈します。この「一番美しい」の解釈は人それぞれでしょう。また、複雑にすればいいってもんでもないです。


Let's Go Crazy/Prince(1984年)
こちら。
わかりやすいのでこの曲にしました。ドッタ・ドッタの2ビートを生ドラムが演奏、その後ろで、最早プリの個人楽器になってしまったと言えるLin Drum(リズム・マシーン)が奏でる「ガララッガッ」、って音です。

ドッタッ・ドッタッ・ドッタッ・ドッ「ガララッガッ」

におけるこの「ガララッガッ」です。これを縦割りのどこに入れるか、なんです。上手いのは、

ドッタッ・ドッタッ・ドッタッ・「ガララッガッ」

じゃないってところです。これだとオンタイム、普通、なんです。ドッの後を選んで入れてますから、半拍ズラしの、裏、を選んでんです。すと、

ダ~ンス!!!

と、なるワケです。「ガララッガッ」のところで僕の腰も「ガララッガッ」です(笑)。

『JB』も、です。

Cold Sweat/James Brown(曲は1967年、映像は1968年)
こちら。
いわゆる僕が『JB』に落ちたキッカケ曲、キッカケリズムパターンです。語るまでもなく有名な?リズムですけど、Clyde Stubblefieldによるこの、

ドッ・チャ~ラ・ドッ・ン「ダッ!!」

も同じくです。アクセントの「ダッ!!」の前にンがありますよね、やっぱり普通、じゃなくてズラし、裏なんです。しかし、左手のスネアのフィルが凄い、、、で、ここでもやっぱり僕の腰もン「ダッ!!」つってね。

・・・僕は何を言ってるのでしょうか。

「えっ!?!そこ選ぶ?うわぁ~カッケー」とか、そういうドラムを聴くとですね、こっちも踊らずにはいられません。単純なリズムであれ、複雑なリズムであれ、僕が感じる良いドラム(リズム)、「一番美しい」とは、全てここです。ドラムに限りません、ベースやリフも、かな。いかに踊れるか、踊りたくなるか、体を動かしたくなるような衝動にかられるか、です。

つまり僕にとって『カシオペア』だろうがプリだろうが『JB』だろうが、同じとこしか聴いてないし重要と思っていません。

ドラムは単純に叩くだけ、誰にでも、小学生であれ音を出すことができます。何度か書いてますが、数ある楽器の中で最もプリミティブな楽器です。しかし、だけ、じゃない。単純な楽器であるのと同時に、スコブル奥深い楽器でもあります。

そして、聴き過ぎてて、普通のリズム、じゃ響かなくなった病気のリスナーが、それを聴き取れる、と。さらに繰り返しますが、そんなの聴き取れない人が聴いても、伝える、ことだけはできる佐々木隆は、素晴らしいドラマー、ってことです。

YouTubeにいったら近年の佐々木隆のドラムが上がってました、上がってましたが、プレイスタイルがジャズ寄り、ってかジャズで、しかも、僕があんまり好きなスタイルのジャズではなかった、ので、違う佐々木隆の超絶ドラムプレイを貼ります。

Time Limit/カシオペア(1979年)
こちら。

ヤ~ヴァイ!!!何このドラム!!!

そしてベースの櫻井哲夫!!!も素晴らしいですねぇ。いや、全員スゲェ!!!!!

で、ドラムです。まず16なんです、しかもこのBPMで片手でハイハット、これは観たことない、どーかしてる、モノスゲェ!!!別に両手でやったっていいんです、いいんですけど、片手でやった方が独特のグルーヴが出ます。因みに、ド頭と終盤、同じパートが出てきますけど、そこでは両手でハイハットを刻んでますので、頭とケツだけ両手、です。しかし、曲全体、骨組み、基本の部分は片手でやってます。この右手、本当にどうかしてる。

後任ドラマー神保彰は正確、とされることが多く、佐々木隆は荒削り、と称される、みたいですが、このグルーヴが出せるなら、どーでもいいです。また、パラディドル、じゃないですよね、よく聴くと。おかず、フィルインスネアであるかなぁ、ぐらいで。リズムキープのリズムは、です。おかず(フィル)じゃなくて、その、キープしてるメインのリズムがどういうリズムを刻んでいるか、なんですよ。まぁ、素晴らしい。今この映像観て良かったわぁ・・・、リアタイで観てたら僕はドラムやってないですね(笑)。しかも当時メンバーは4人共に、22~3の若者ですよ。ありえない、本当にどうかしてる。『カシオペア』はこの青山ピットインでの初期ライブの、一体感・グルーヴ感が一番、最も良いですねぇ。全バンドや全ミュージシャンが、とは言いませんが、最初が一番良いバンド、多いですねぇ。

ってかこの曲!!!知ってる!!!俺たちの『YMO』のアルバム「サーヴィス」(1983年)内、『SET』によるコント、名探偵マルコシマンタのBGMじゃん!!!高1でした。この曲は『カシオペア』なんだ、と知り、後でちゃんとレンタルして来て聴こう、っつって37年間忘れてたわぁ~、そしたら時代はYouTube、レコ音源が聴ける(笑)。そしてライブはこんなにもカッコ良かったんですねぇ・・・。レコ音源至上主義の僕ですが、これは完全にライブですね。







話は右往左往しましたが、僕は全面的にファンキー末吉支援、です。って裁判終わっちゃったけど。そもそも、名前がファンキーですからねぇ・・・。




2020 09/21 15:40 ミラクル沼尾



スポンサーサイト



0件のコメント

コメントの投稿

新規

投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

0件のトラックバック

トラックバックURL
http://funkgrooviee.blog16.fc2.com/tb.php/873-ee53b6e6
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Appendix

Monthly Archives

Profile

miranuma

ここはミラクル沼尾のブログです。
サイトのBBSが崩壊、ここに移動。

Extra

プロフィール

miranuma

Author:miranuma
ここはミラクル沼尾のブログです。
サイトのBBSが崩壊、ここに移動。

最新記事

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード